ビジネスに「戦略」なんていらない (新書y 195) |
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タイトルは非常にキャッチーで強いが、中身はすごくまっとうな知性を感じさせる本だった。 東京ファイティングキッズからたどってこの本に至ったのだが、正解だった。 筆者の現場で培った経験と、知性が融合した、非常に腹にはまる本だと思った。 自分のように、現場でもがきながら、願わくば自分が成長していて欲しいと祈るだけのような人間でも、この本に素直に共感することができた。それは筆者が現場を多く体験しているビジネスマンだからだろう。 内容は難しいのだが、文章自体はわかりやすく、読みやすい。 こういう知性のあるベテランビジネスマンにお話しを聞く機会って、忙しい生活の中ではなかなか持てないものなので、この本はとても貴重な経験と時間を与えてくれたと思う。 「企業の絶対的な命題は利潤を生み出すこと」「ビジネスとは損得勘定で物事を考えること」に全面的に同意しつつも、経済行為の起源である贈与・交易あるいは交換といった、人と人、人と物との関係性に立ち戻って考える時、いわゆる世に流通している「ビジネス戦略論」が無意識に排除してしまった別の側面が立ち現れるという。現代のグローバリズム的思考の枠組みを脱構築し、原初的ビジネス論へと再構築を試みた意欲的な一冊。誤解を恐れずに言えば、ポスト構造主義的「倹約斉家論」のすすめといった内容となっている。本書はレバレッジ・リーディングではなく、ぜひスローリーディングで味わいたい。 今やビジネスの世界では戦略思考、成果主義が跋扈している。ちょっと違うだろうと思うのだが自分でも上手く整理できなくて、何処がどうだと言えずもどかしい思いをしてきた。 そのようなことに対しても本書を読むうちにヒントが見えてくる。ビジネスにまつわる流行ごとも「誰のためになって」「誰のためにならないか」を見極めていくと、ちょっと違う視野が開けてきそう。 本当に「ビジネスに戦略なんていらない」と言い切れるかどうかわからないし、本書に正解が出ているわけではないが、感性を磨くヒントに溢れているという点で秀逸。 もう一人の方のレヴューに促されて読んでみました。たしかに新鮮な視覚でビジネスを取り上げた作品です。そう投資家的なパースペクティヴでターミノロジーを操りビジネスをしたり顔で説明する行為なんてfad以外の何者でもないのです。そしてfadは時代の変遷と共にいつも変わるというのが永遠の真理なのです。私はこのようなfadとそこに潜むアメリカ的な競争の論理の限定的な効用にはもう辟易しているというのが正直なところです。ビジネスとはもっと多面的で全人格的なプロセスなのです。そこには万能の解なんてのはありません。そして人間はなぜ働きビジネスに関わるのか、それこそ投資家的なパースペクティヴで解明できるものではありません。この作品には答えなるものは呈示されていません。ただ本書の後半は若干ペダンティックでわかりにくなりますね。いというわけで受け手の想像力にその後はすべて任されてしまいます。 エイやっと☆5つ!!! というのも、いまや会社勤務労働者、賃金労働者の仕事・職業に関わるものが全的に「ビジネス」という言葉に括られるとすると、本書はほとんど唯一のビジネス書に値するからだ。 前著『株式会社という病』も「ビジネス」や「会社」をラジカルに考察する好著だったが、本書はもともと以前に出していたものの再版であって、著者の原理論的な展開を行なったものであり、戦略やノウハウといった競争的な次元に走りがちな現今の「支配的なビジネスイデオロギー」を問う誠に稀有な1冊なのだ。 著者は現役のビジネスマンであり、経営者でもあって、そのうえIT系らしきベンチャーの雄であるが、したり顔で自己管理ノウハウや読書法や成功自慢をのたまう世のビジネス本とはまったくスタンスが違う。まあ、知性が違うと言っておこう。 本書が『さおだけ』とか『レバレッジ』とか『引き寄せ』とかの10分の1でも売れてくれれば、社会は少しくらい変わるのであるが・・・。 ビジネスに「戦略」なんていらない (新書y 195)を楽天で検索 |