サッカー戦術クロニクル |
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トータルフットボールに焦点を当てて歴史を丹念に追っている。やはり新書などとは一線を画す内容である。 とにかくどの章を読んでも面白く,話題の杉山氏のサイド攻撃万歳『本』がいかに底が浅いか改めて認識した。まあ,むこう(4−2−3−1サッカーを戦術から理解する)が所詮は新書だという点を勘案してあげないと不公平かとは思う。 サッカー協会(いいかげんサッカーからフットボールに改名してほしいものだ)会長の犬飼さんと著者とで是非とも公開トークセッションを開いてもらいたい。 トータルフットボールの理想像を追いかけたチームの歴史を追った一冊。 それぞれの戦術の優劣ではなく、トータルフットボールというある意味理想のチームの各時代での姿を描き出すのがこの本の内容である。 今となってはレトロフューチャー的なオランダ、合理主義との融合ACミラン、クライフの挑戦のバルセロナ、“ギャラクティコ”レアルマドリーの限界……、そしてハンガリーやオーストリアという過去。 それらのチームを軸にして、トータルフットボールへのアプローチが書き出されている。 トータルフットボールという理想のサッカーの成り立ちを知るうえで、まさに教科書のような一冊だろう。 そういった意味でこの本は、漠然と戦術だ戦略だと言って最強戦術論を戦わせたい人には正直イマイチ向いていない。 もちろん、戦術戦略に『?印』の人にも。 そのような戦術マニアではなく、フットボールの歴史や戦術の進歩を知りたいといったような、『真面目な』フットボールファンにこそ、ぜひこの本は読んでもらいたい。 副題ズバリで「トータルフットボール」とはナニモノで、いつ頃から、誰がプレーし(プレーさせて)いたのか?について。 相互に関連し影響しあいながら、時として無関係にけれど同時発生的に発生し、進化していった「トータルフットボール族」の「亜種」たち。 オランダに始まり(当然ですな)、ブラジル、ミラン、バルセロナ・・・・。古くは1930年代のオーストリアやハンガリーに遡る。 クロニクルという書名からもわかるように、著者が同時代を生きる以前の「トータルフットボール」たちについての記述はまさに年代記。 しかしながら、著者の力量が最も発揮されたのは、1970年代以降の「トータルフットボール」だろう。 70-80年代のオランダやブラジルなど既に「歴史」になりかかった部分は、別著「1974フットボールオデッセイ」に描かれた「フィクションの世界」を、戦術論として提示したといえなくもないし、それ以降についてはまさに同時代性を持った「トータルフットボール」の系譜を(いささか後講釈的ではあるが)見事に整理している。 我々が漠然なイメージとして語ってきた「トータルフットボール」が、どのような経緯を辿って現代のサッカーシーンでどのように息づいているか? トータルフットボールが成立するための要素はいったい何であるか? ナルホドとひざを打つことも少なくない1冊でした。 杉山茂樹氏の「4-2-3-1」が売れ行きを伸ばしているためか、それに対抗して書かれたような本書。 でも内容は悪くない。 1974年の衝撃のオランダ代表から、トータルフットボールの系譜を、丹念かつ的確に書きつづった内容。 個人的に私はクライフ崇拝者なので、Chapter1と4が楽しめたが、最終章の「トータルフットボールの起源」は力作で、西部氏にしか書けない内容であろう。 「74年のオランダは、未来のチームではなかった。やや極端に強調されすぎた、いびつな姿であった」 「ジダンの一番のすごさは、フィジカルとボールキープ力で、ひとりでプレッシングを空回りさせることができる」 などといった分析も、かなり的を射たものだと思う。 「サッキのACミランにしても、ボールを奪い取った後の攻撃については、個人の能力に頼むところが大きかった」というのは、確かにその通りであろう。 かつて、ゾーン・プレスを全面に押し出した加茂(元)監督が、攻撃にアイディアがないという理由で、金子達仁あたりからさんざん無能扱いされたが、「それならミランも同じでしょ?金子さん」といったところかな。 西部氏の本はほぼ購入しているが、 本書は著者ならではな、ど真ん中企画の内容。 タイトルが示す通り、 現代サッカーの戦術変遷史レポート。 しかし、単に時系列で並べられているわけではなく、 その章立てと並び方に一本の細い糸が紡ぎだしていく物語が 見事に描き切られている。 これだけサッカー書籍が溢れかえっている状況の中、 実にありそうでなかった… サッカー書籍ファンにとっては 実に嬉しい取りまとめ企画と言えるのではないか。 思わず、2周目に入ってしまうほど、 目から鱗な、頭にきちんと整理して刻み込みんでおきたい、 著者ならではの蘊蓄と含蓄ある解説に溢れている一冊。 サッカー戦術クロニクルを楽天で検索 |