カウラの風 |
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第2次大戦中の1944年、オーストラリアのカウラ収容所に収容されていた日本人捕虜約1000人が暴動を起こし、231名が命を落としたカウラ事件。 本書は、日本でほとんど知られていない、この事件を掘り起こし、日本とオーストラリア双方の関係者に丹念な取材をして書かれている。 この本を読むまで、こうした事件があったこと、また、こんなに大勢の日本人捕虜がオーストラリアに収容されていたことすら知らなかった。 オーストラリア政府は、捕虜の扱いを定めたジュネーブ条約にのっとって、人道的に捕虜を扱った。一方で、収容所生活に不満はなくとも、「生きて捕虜の辱めを受けず」という教育を叩き込まれていた日本兵。 その意識の違いが、暴動事件の背景にあるように思った。 本書はまた、事件の記録だけでなく、戦後、関係者が事件を乗り越えて日豪両国の理解、友好、親善に尽力したことも書かれている。 オーストラリアでは、カウラ事件を教訓にして日豪親善に尽力する人たちがおり、地元の学校では平和や日豪親善の題材としてこの事件が教えられているという。頭が下がる思いがした。 翻って日本はどうだろうか。海外旅行先や留学先として、オーストラリアは相変わらず大人気だ。しかし、日本とオーストラリアがかつて戦争をしたことすら知らない人々が増えている。現代の日豪の意識の違いは、カウラ事件当時の日豪間の意識の違いとダブって見えるような気がした。 オーストラリアが好きな人、オーストラリアに興味を持つ人に広く読んで欲しい本。 カウラの風を楽天で検索 |