幻の三中井百貨店―朝鮮を席巻した近江商人・百貨店王の興亡 |
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かって、釜山、大邱、ソウル、平壌、新京と朝鮮半島と満州を席捲した三中井(みなかい)百貨店という百貨店チェーン。 創業者は、「売って良し、買って良し、世間に良し」の”三方良し”を信条とする近江商人の末裔だった。 彼らが躍進した背景と、日韓の歴史、そしてなぜ彼らが跡形もなく消え去ったかを、著者が豊富な写真、資料、そして当事者への取材から探る。 当時の様子について、現在ある建物との関連が良く説明されており、ソウルを歩いているときに「あーここに●●があったのか、、、」などと当時をしのぶことができる。 かって日本の敗戦まで朝鮮・満州・中国にまたがる壮大な規模の事業展開をなし遂げた近江商人を描いた書籍。 「三中井」は、1905年朝鮮大邱で雑貨・小物屋として創業し、拡大競争路線で蓄えた資本を下に、京城へと進出、三越、松坂屋に並ぶ朝鮮屈指の百貨店ビジネスを成功へと導いた。 同書の中心人物は中江4兄弟である。彼等は米国からの百貨店ビジネスノウハウを取得し、東京の最新モードを研究し、先行する大規模資本との競争に独自性を加えることで営業を多角化し収益を拡大していった。そして、「三中井」ファッションは朝鮮人中流階層以上を中心に人気を博していった。 本書の面白かったところは以下の通りです。 @朝鮮民族資本による百貨店の技術・ノウハウの取得を、経営学的視座から分析したこと(AI移転)。 A植民地期朝鮮に於けるインフラ整備の拡充という側面を「経済物質文化」、「社会精神文化」に大別し、「朝鮮型大衆消費社会」の日本適応化に着目したところ。 以上、同書の詳細を読み深める事で、当時の朝鮮の諸相が見えてくることと思います。 日本、韓国どちらにも偏ることなく客観的に歴史が描かれている。 三中井の歴史はもちろんだが戦前の国際マーケティングについても事細かに説明されており、 国際マーケティングの根源を学習したい人にも是非読んでもらいたい作品である。 朝鮮半島が日本の統治下にあった時、京城市(現ソウル市)には、現在の新宿のデパート戦争さながらに、5つもの百貨店がひしめき合い、繁栄を誇っていた。中でも最上位が三越、次が三中井百貨店である。朝鮮、満州に計18店舗を構え、一大王国を築いた近江商人・中井家が、なぜ戦後跡形も無く消え去ってしまったのか。 舞台が朝鮮半島だけに、すぐ植民地問題の話が頭をもたげるが、当時は決して現在韓国が語るような搾取があったとか悪政が敷かれていたわけではない。韓国の戦後発展も、この時代に築かれたインフラがあったからこそ、という事もまた事実である。百貨店も、多くの日本人・朝鮮人が買い物に嬉々として訪れていた事を当時の現地在住の人の証言から読み取れる。日本の百貨店のマーケティングのノウハウが戦後の韓国のそれに活かされた事も付け加えてあり、戦前の百貨店事情を知り得る貴重な一冊である。 戦後、再建計画を反故にしてしまった経営陣たちから我々が学ぶべきものは何か、著者はそれに迫っている。チャンスを生かしきれなかった以前に何か問題が無かったのか…あった。詳しくは本書に譲る。 幻の三中井百貨店―朝鮮を席巻した近江商人・百貨店王の興亡を楽天で検索 |