ゆりちかへ―ママからの伝言 |
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長い間彼女とは会うことなく過ごしてきたが、再び会ったのは病室へお見舞いへ行った時のこと。 彼女の立たされていた現実を考えるだけで、涙が溢れてきたのを覚えています。 30代も半ばでの他界と短命ではあったけど、 可愛い娘さんと、そして、娘への思いをつづった一冊の本を残せて、きっと幸せな人生だったんじゃないかと思います。 そんな思いがたくさん詰め込まれている一冊です。 ここに書かれた言葉は、なんてやさしくて、潔くて、爽やかなのでしょう。子どもを思うママの気持ちは、こんなにも深い。 おともだちのこと、学校のこと、おしゃれのこと、からだのこと、恋のこと、ゆりあちゃんが少女になって迷ったり悩んだりしたときに、少しでも助けになるようにと、飾らない本音の言葉でママは思いつく限りのことを語っていきます。これから先、自分に残されたゆりあちゃんとの時間は、たぶんもうわずかだから…。 これはただの闘病記ではありません。自分の最後の力を振り絞って、子どもに「本当に大切なものは何か」を教えようとしている。 読むたびに泣いてしまうけれど、読むたびにやさしい気持ちになれる。 ずっとずっと手許においておきたい一冊です。 私がこの本のことを知ったのは昨年の夏でした。ちょうど縁あって、私も晃子さんの肉声テープをCDにおとす工程の手伝いをし、一日あずかったことがありました。夜、一人でテープを聴いていると彼女のささやきの中に「生」への強い願いが伝わってきて胸が締め付けられそうでした。私の回りの小さな悩みがいかに些細なことか・・・。彼女は一生分の愛情をゆりあちゃんに注いで、力いっぱい自分の生涯を駈けぬけたのですね。ゆりあちゃんもお母さんの死を本当に理解する日が来たら大きな悲しみにぶち当たるのでしょうが、それを乗り越えれば、きっと強い女の子、女性に成長されることと思います、母晃子さんのように。晃子さんのこの本はゆりあちゃんだけでなく、たくさんの人を支えてくれると思います。大事にしたい1冊です。 「自分が同じ立場になったとき、これほどしっかり語れるだろうか」 筆を執ることが困難になった筆者の代わりに、彼女が録音した音声を文字起こしする作業を手伝った。 2本のテープの中の筆者は、冷静で気丈な母としての言葉を、本を読むだろう未来の娘に確実に伝わるように、まるで文章のように考えながら語っている。 同じ立場になったとき、おそらく僕にはできそうにない。きっと病気がもたらす痛みや不快感に圧倒されて、文字となるような言葉を充分には語れないだろう。2本のテープを聞きながら感心していた。 でも、ある日の再生を始めた時、無言のすすり泣きから始まった。文字起こしするのをやめた。 すすりなきが数分間続いた。その後の言葉は「死にたくない。ずっと生きていたい。死にたくない」。泣き声交じりの告白だった。「家族とともにずっと過ごしていたい」。 文字起こしができなくなった。夜の病室で一人で録音機に向かっていた彼女の孤独と恐怖は、彼女以外の誰にも分からない。分からないけれども、集中して聞いていた僕には、それが伝わってきて、「コレハ、シゴトダ!」自分に言い聞かせなければ、それ以上の文字起こしができなくなった。「コレハ、シゴトダ!」言い聞かせて作業を続ける。涙が流れて止まらなくなった。 何度もテープを巻き戻し、避けて、最も聞きたくない部分を、どんな言葉も聞き漏らさないように、何度も何度も聞いた。本になった今、あの部分を読むと、自分の中に恐怖と孤独とが再生される。 彼女は今も病床にいる。家族との時間を考えながら、日々を生きる。 わが子のために書いた本だが、その目的とは違う読み方ができる。彼女は、病床から自力で離れられない。しかし「人に伝えたい」という意志が周囲を動かし完成したのがこの一冊だ。強い意思が本にこもり、読む人が力を得られる不思議な本でもある。 女性として、母としての細やかなメッセージが、温かくゆりあちゃんを包んでいる様に 思います。 そして、愛する夫、娘への思い…。彼女の切ない思いがひしひしと伝わります。 命を削って綴った闘病記…。 一日一日を精一杯生きている彼女の姿は、私たちに「命の重さ」を教えてくれます。 何気なく過ぎる毎日の大切さ、気づかされる一冊です。 ゆりちかへ―ママからの伝言を楽天で検索 |