江戸という幻景 |
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前作『逝きし世の面影』は、昨年読んだ本のなかで最も感動的で心に残ったものであった。本書は、いわばその続編であるが、期待を裏切らない秀作である。江戸時代とは何か? 著者は、最近はやりのポストモダニズムやエコロジズムの視点から江戸を評価しようとしているのではない。江戸時代を嘗てあった総体的な一つの文明、そして後戻りできない文明として捉えている。そして前作では、幕末、明治初期に来日した外国人の眼を通してその文明を描き出した。本書では、江戸時代の日本人のいろいろな著作からその文明の姿を生き生きと描き出す。前作を読んだ方は是非読んで欲しい。内容は前作より砕けていて読んでいて楽しい。 江戸時代の農民や町民は武士を恐れ、へつらうように頭を低くしながら生きている―というような通念が、読み進むうちに壊されてゆくのが快く、愉快である。 名著『逝きし世の面影』で著者は、幕末から明治初期にかけて来日・滞在した西洋人の目を通じて江戸時代人の実相を浮かび上がらせようとした。 本書では、江戸時代人自身の書き残した記録に直接向かい、当時の人々どうしのつきあい方や、心のありようを主に探ろうとしている。 『逝きし世の面影』で私たちは江戸時代人が外国人に対して実に親切で誠実で、また大らかであった様子を知ることができたが、ふだんの日本人どうしのつきあい方がどうであったか、当の日本人自身は自らをどう見ていたか、などということについては、記録の性格上、詳しく知ることができなかった。 本書はそこを埋めてくれている。『逝きし世の面影』読了後に手にしていただくのがよいと思う。 ここ数年、江戸時代の文化や風俗が流行っていましたが、 本書を読むと上っ面の江戸時代理解ではない、現代の我々 からするとまるで異質な江戸時代の人々の生き方の断片を 垣間見ることができます。 「江戸っ子は宵越しの金は持たない」とよく言われますが、 思わず吹き出したり心が痛んだりするエピソードが満載 こうした目の覚めるような本にもっと出会いたいと思いました。 江戸という幻景を楽天で検索 |