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訳の問題はあるが類書が少ないため本書は(原書でも良いので)一通り研修を終えた医師が手にして価値あるものと思う。 まず読みにくい箇所、即座に理解できない表現が多く翻訳を直してほしい。(医学書にはこのタイプの訳が実に多い。)日頃のこなれた日本語の教科書に慣れている学生はもちろん英語の論文を速読している医師でも原著を読んだ方がましだと思うのではないか。ランダム(無作為)に3箇所とり出すと、、 A あらゆる臨床決断の場面における患者の価値感(誤字そのまま)を探ることの重要性を、我々は見てきた。 B 悪い知らせはいつも患者に告知されなければならないのか。 C 医師は最初にマッチング、すなわち症状や徴候を病気のプロトタイプの表現型に当てはめて病気の診断を付ける。 というわけである。わからないわけではないが日本人の書いた日本語ではなく機械的な直訳文だ。原書を読む労力を割くために買うわけだからすぐにわかる訳がよい。 A 患者の診療方向を決めるあらゆる場面において患者の価値観を探ることが重要であるとこれまで述べてきたが、、 B 悪い知らせでも患者に告知せねばならないのか。 C 医師は最初に照合作業を行う。つまり患者の症状や徴候がいくつかの病気のプロトタイプ(典型例)に当てはまるか調べるのだ。 という意味なのだろう。 研修医時代は初見の患者であるいは急変の現場で即座に検査から診断まで方針を決定するパターンを学ぶ。そのパターン診療に潜む過剰検査や見落としの可能性、そしてパターン化できない診療の側面をいかに教えるかということをこの本は述べている。しかも論理(すなわち確率論)に基づいて話が進められ、誰でもわかるようにという教育の原則に貫かれている。 (エビデンスと呼ばれる)医療情報をどのように活用するか考えるところまで成長したら読む本である。裏を返せばこの本を必要としない医師はすでに論理的な研修医指導を行っているベテランまたは氾濫する情報に埋もれて自らの医療の質を向上させる意志のないものだろう。 考える医師を楽天で検索 |