ダーク・ホース |
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曲目リスト
不当に評価の低い本作であるが、「しゃがれ声」のジョージが楽しめる好アルバムである。駄作扱いする人は意味不明! 本作は英米で評価が真っ二つに分かれた作品として知られていますが…なんて事は無い、ビジネス上のトラブルからイギリスでのPR活動が全く行われなかっただけである。事実アメリカではアルバム・チャートの4位を記録している。それにしても母国イギリスでチャート・インすらしなかったとは。 前述の様に本作の肝はジョージの「しゃがれ声」である。実際のところ、喉を痛めた状態でレコーディングに臨んだだけ…というのが通説であるが、それが本当だとしても、ソレを逆手に取ったジョージのアルバム作りには目を見張る物がある。アルバム全体がブルージー…もしかしたら最も「ジョージらしい」アルバムは本作かも? 全米15位を記録したシングルTr.7は曲自体非常に地味であるものの、ジョージの「ブルージー・ボイス」によって名曲となっている。普通に歌っていたらヒットしていたかどうか…。逆に当時のジョージ・ファミリー総動員で録音された(比較的)派手なTr.6は「しゃがれ声」が足を引っ張ったせいか小ヒットに終わった(英38位/米36位)。 多くのジョージ・フリークにとって本作の最大の目玉となったのはロン・ウッドとの共作Tr.8だろう。このアルバムで最もブルージーな本曲は、最も本作に相応しい曲である。なぜかこの曲だけジョージの声が「健康状態」だが…。本曲にはロン・ウッド版も存在しており、そちらは彼の1st.アルバムに収録されているので、聴き比べるのも良いだろう。 面食らうのは何と言ってもアルバム・ジャケットである。若い洋楽ファンが見たら「新興宗教のパンフ」と勘違いする事間違い無し。しかし曲に宗教臭さは皆無(一部を除く)。内容なら前作『リヴィング〜』の方がよほど宗教的であった。 本作を堺にジョージはAOR路線に方向転換するので、ブルージーなジョージは後にも先にも本作一回きりになってしまったのが悔やまれる。『クラウド9』にもブルージーな曲はあるが、本作の魅力には叶わないだろう。 ダーク・ホースはジョージ自身が設立したレーベルの名を冠した彼なりのプロパガンダである。ただ、喉の不調をおしての録音やレコーディング期間の切迫等が取り沙汰され評判は良くない。しかし、ときおりかすれる声は悲痛な叫びそのものだし、数少ないセルフ・プロデュースの一枚であるがゆえに彼の思いややりたい音楽がストレートの伝わってくる。アルバム冒頭を飾る軽快なインスツルメンタル#1「ハリズ・オン・ツアー」、悲しみが結晶し目に見えるように思えるほど繊細な#3「ソー・サッド」、古きを追い出し、新しきを迎えようという彼の意気込みが感じられる#6「ディン・ドン」、ポールやジョンの影に隠れた自分を奮い立たせるかのような内容の#7「ダーク・ホース」などの曲もいい、また彼なりの宗教感が漂う曲も端麗で涼やかだ。ビートルズ時代とはがらりと変わったジョージの世界が展開するいいアルバムだと思うのだがどうだろう。 ダーク・ホースを楽天で検索 |