八つ墓村 |
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本物の幽霊が画面に出てきて、そんな意味でも最高に怖い一作である。辰也が飛行機管理事務所に呼ばれるシーン、窓の外からにょきっと手が出てくる!未見の人は真偽のほどを確かめて。ともあれ、本物が出ようと出まいと、本作の恐怖体験はトラウマになる。落武者のエピソードや小川真由美の変貌など、今でも鮮明に蘇る強烈さ。リングの怖さとは一味違う、説明がつく怖さが後を引くのだろう。息をもつかせぬ怖い進行に、唯一ホッとさせてくれたのが、渥美金田一であった。石坂金田一と違って、主役というよりも物語の語り部的な立ち位置で登場する。どこかひょうひょうとした佇まいが、本作と非常にマッチしていた。壮大な音楽も大作感タップリ。日本のホラー映画史上屈指の名作である。 落武者惨殺の場面で、田中邦衛の生首がピューンと飛んでいくのだが、あれは幼少の頃に見て、相当なトラウマになりました(笑)。 渥美清の金田一は飄々としていて良かった。 おどろどろしいシーンもたくさん出てきますが、 脚本超一級で、演出も素晴らしい作品です。 吉岡秀隆さんも子役で出てたり、ちょい役で岡本茉莉さんも出てたり、 俳優陣も豪華、山崎努さんの桜吹雪の中の疾走シーンはとても美しい。 中野良子さんってあんなに美人だったとは、改めて見直しました。 そして渥美清さんの名探偵も石坂浩二さんとは全く別の金田一耕助ですが 私は大好きです。 この映画作品の勇気あるところは、「祟り伝説を利用した連続殺人事件」であったという原作のプロットを、「本当の祟り」へと変更したことでしょう。 この作品の原作はとてつもなく膨大で登場人物も多く、おまけにトリックの複雑怪奇さは他作品の比ではありません。 その証拠に、「八つ墓村」は横溝作品として最も多く映像化された作品ですが、そのどれもがかなりの省略・簡素化をやむなくされています。 この巨大な原作の映像化として野村監督が出した答えは、原作の内容をはしょってまで忠実に描くよりも、思い切って犯人が隠れ蓑に使った「八つ墓の祟り伝説」を主題にしてしまうことでした。 この改変は、原作と映画作品の関係の、一つの見本かも知れません。 忠実に映像化することも正論であり、この作品のように、独自のアプローチで迫ることもまた正論でしょう。 原作では何十ページにも及んで描かれたクライマックスの金田一による謎解きは、圧倒的なカタルシスを読者に与えますし、本作の最も痛快で面白い部分なのですが、この映画はそれを全く描かないという、思い切った判断をしています。 そしてその代わりに据えられた、鍾乳洞内の圧倒的な恐怖。 恐怖映画としてのスタイルを貫いた結末に、こういう映画の作り方もあるということを教えられた思いがしました。 もっとも、この映画を見て「八つ墓村とはこのような物語なのか」と誤解されてしまうこともまた歯がゆいので、是非原作も併せてお楽しみいただきたいです。 横溝正史を映画化されたいくつかの作品の中でも 丁寧さという点では 間違いなく一番だと思う。市川昆の諸作も悪くないが 野村監督のこの一本に掛けた情熱という点で 抜きん出ている。「砂の器」のスタッフが 挑んでいるだけに ある種の緊張感があって素晴らしい。 金田一を渥美清にやらせている。寅さんが探偵であるというのは 普通に考えると ミスマッチだが やはり 本作においても これはミスマッチだったと思う。但し 本作においては 金田一は ほとんど脇役と言ってよいかと思う。 主人公は 何と言っても その舞台である。中国地方の寒村風景、鍾乳洞等が 実に素晴らしい。話のおどろおどろしさを 映像に訴えている野村監督の手法は 冴え渡っている。これを見て ロケ地に行きたいと思わせないところも 一種のホラー映画化された本作の特徴ではないか。 傑作です。 横溝正史の同名ミステリ小説を松竹映画の巨匠・野村芳太郎監督が映画化し、大ヒットを記録した超大作。東京に住む辰弥(萩原健一)は、自分を探していた祖父が目の前で毒殺死したことを機に、故郷の八つ墓村を訪れた。そこは戦国時代の落武者惨殺の伝説に彩られた地であり、やがてそこで謎の連続殺人事件が勃発する…。 名探偵・金田一耕助には渥美清が扮しているが、ここでの彼は語り部に徹している。日本中の鍾乳洞をロケしてつなぎあわせた村の地下洞シーンや落武者惨殺、村人32人殺し、寺田家炎上などおどろおどろしい映像的見どころも多いが、それよりも大きな特色は謎解きミステリを超えて、怨念の実在を説く映画独自のストーリー展開。 また、原作の舞台は戦後だったのを、映画では現代(1977年)に設定したことで、祟りという概念が今なお根強く人心に根付いていることを、より強く印象づけることにもなった。(的田也寸志) 八つ墓村を楽天で検索 |