自転車泥棒

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売れ筋ランキング自転車泥棒  
自転車泥棒

自転車泥棒


価格:¥ 3,990(税込)
アイ・ヴィ・シー DVD2002-07-25
売れ筋ランキング:10981

禁じられた遊び(トールケース)
汚れなき悪戯
山椒大夫
ひまわり

 戦争に負けて混乱と貧困のさなかのイタリア。一台の自転車が貴重な財産だったころの庶民の生活を記録映画ふうに撮った。ネオリアリズムの代表作として名をのこしている。
 無節操といってもいいくらい、娯楽映画ばかりがもてはやされるこんにち、忘れてはならない作品だとおもう。自転車を盗まれた父とその息子の姿には共感をおぼえる。
 しかし、現実を切り取っただけのような素朴な題材からは、人間のドラマとしてのおもしろみは感じられず、退屈感はいなめない。現実はこの映画のとおりかもしれないが、見るがわとしては疲れる。
 ウソや誇張をおりまぜるという意味でなく、たとえば妻との会話はもっとしんみりした哀感がこもっているとかすれば、フィクションとしておもしろみが増す。映画とはそういうものではないだろうか。
 ヴィットリオ・デ・シーカ監督は、どうにも変えようのない現実にあらがう人を描くことが多い。モンゴメリー・クリフトとジェニファー・ジョーンズの「終着駅」も、マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンの「昨日・今日・明日」「ああ結婚」「ひまわり」等も。次第に、その作風は垢抜け、「あらがい方」も滅法、破天荒に、明るくたくましくなっていく。
 この初期作品では、そのような破天荒なあらがい方はなく、一見、暗く、難解だ。あまりにスマートに作られているため、最初、見たときには何がなんだかわからない。
 しかし、丁寧に作られている。現実にあらがう父親にいつもよりそう息子が、最初は、ただ寂しくて、父のそばを離れようとしないように見えるのだが、実は、違うことがわかってくる。息子は父を心配し、ついには、父は、息子に支えられるようになっていくのだ。その関係性の変化が、きめこまかく(そして、さりげなく)描かれている。
 同時期の日本(敗戦後の日本)には、このような作品が少なく、むしろ明るくさわやかな映画が多い。イタリアには、このような作品が多い。一方、イタリアの国民性は陽気で、むしろ日本はその逆だ。映画は、国民性に欠如したものを、わざと虚構のものとして提示するのか、とすら思える。
 仕事を得るため,家財を質に入れてまで手に入れた自転車。簡単には諦めきれない。泥棒の行方を追う父と息子。妻に金の無駄だと戒めた占いにまで手を出す始末。半分やけくそで入ったレストラン,でも諦められない。時折,息子を顧みないでハッとする父アント。ついには無実の人にまで疑いを。どうしようもなくなり,立ち尽くす・・・。

 結末が分かっていながら観ると,なおさら胸が締め付けられる。ビットリオ・デ・シーカ,世紀の傑作。


なんて言えばいいか。僕がはじめてこの映画を見た直後の感情は、少なくとも「感動」ではなかった。でもパッケージや論評にはだいたい、「感動の」といった類のことが書いてある。自分は冷たい人間なのか、などと思いもしたけど、今ならもう少しはあの時なぜ感動を覚えなかったかがわかる気がする。つまり、この映画はあまりにも(演技や当時の街の雰囲気をふくめて)リアルなのだ。ハリウッド映画にあるようなご都合主義や、お定まりのハッピーエンドといったものはなく、あるのはひたすら僕らが暮らす世界と同じような現実。救世主も現れないし、奇跡も起こらない。正直に言えば、僕はこの映画を見終わったあと、苦々しい気持ちになった。この映画の中で起こったようなことは、僕の人生の中では枚挙にイトマがなく、またきっちりと整理がつけられないままのものも多々ある。感動ではなく苦々しさ。―この映画で素直に感動できたひと、それはそのような辛い経験ははっきり言ってしまえば外側の世界のことのように感じているひとか、或いはそういった辛かった経験も今はもうすでに懐かしい過去の思い出の一部となっていて、その人にとっての「あの頃」を思い出して思わず涙があふれる、そのどちらかのように思えるのです。現段階での試論ですが。
敗戦国イタリアの下町に生きる貧しい父と子の絶望と希望を、たった一台の自転車を通して鮮やかに描ききったヴィットリオ・デ・シーカの傑作です。DVD時代の今こそ再評価されるべき映画史屈指の名監督なんですが、発売中の作品が片手程度とは口惜しい限り。DVDメーカーの怠慢には猛省を促したいところです。

あれこれ見所を語るだけで「ネタバレ」となってしまいそうなシンプルな物語です。価格が若干高めだけれど、その普遍性は正に一生もの。男の涙の重さってものを、骨の髄まで味わってみて下さい。


   第2次世界大戦後イタリアは、ぶつけようのない怒りや悲しみ、将来への不安に満ちていた。社会の混乱のなかで懸命に生きる労働者たち。主人公リッチは妻と息子の3人家族。2年の極貧生活ののち、ようやく手に入れた仕事には自転車が必要だった。ありったけのシーツを質に入れ、自転車を手に入れるが、無情にも自転車泥棒に遭ってしまう。
   唯一の商売道具である自転車を探しに街へ出かける父子。その姿をとおして監督ビットリオ・デ・シーカは、88分という短い時間のなかで戦後イタリアの混沌の姿をリアルに描きだす。すべては衝撃のラストシーンの伏線であり、それは観る人たちの心に複雑な感情をもたらす。48年、アカデミー外国語映画賞受賞。主演の父子はまったくの素人を起用し、ネオ・レアリスモの存在を全世界に知らしめた。モノクロ。(齋藤リエ)
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