蜘蛛巣城 [DVD] |
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『吾の中に 巣食うもののけ 謀かりごと 武勲目出たき 身は安からず』 「マクベス」が下敷きとは言いながら、日本の戦国時代を完璧に当てはめた名画。下克上の世の中で、武将の野心と妻のそそのかし、裏切りとその報いが予言、亡霊とともに描かれる。血なまぐさい時代背景がとにかく恐ろしい。黙って座っている殺された男や、洗っても落ちない血(実際には血などついていない)をまた、洗おうとする女の仕草は見ているだけで背筋も凍る。音響、メイク、画面構成とあいまって、天才監督が名優を得て作り上げた見事なオリジナルだと思う。 暗い作風です。主人公とその妻や、主人公とその家来との関係・人物背景が今一希薄でリアルに見えてこない。表現しようとしてるシェイクスピアのテーマもわかりますが・・私は黒澤さんの「羅生門」の描写のほうが好きです。場面によっては私は間延びした描写と感じる所があります。 怖いです。黒澤映画で本格的なホラーはこれ一本だと思いますが、そのホラーと言うのも人間の醜さを集結させた様なお話。人間にとって一番怖いのは人間だと言わんばかりの流れでやられます。 シェイクスピアの『マクベス』を、黒澤明監督が、戦国時代の日本の物語に翻案した、世界映画史上に残る傑作である。この映画が、欧米で、どれだけ高い評価を受けたか、若い人達は知らないかも知れない。例えば、ロンドンに国立映画劇場が落成した時、イギリス人は、こけら落としに、黒澤監督を招いて、『蜘蛛巣城』を上映したのである。又、ピーター・ブルックは、コージンツェフの『ハムレット』と黒澤明の『蜘蛛巣城』を全世界で作られたシェイクスピア映画の最高峰だと言ひ切って居る。−−シェイクスピアの国の人々が、この映画に熱狂したのである。−−更には、スピルバーグなども『蜘蛛巣城』を絶賛して居る。 かつて、黒澤明監督は、『羅生門』を監督した頃の事を回顧して、自分は無声映画の美しさに戻りたかったのだ、と言ふ意味の発言をした事が有る。映画の原点である映像その物の美しさに戻りたかったと言ふ意味である。『蜘蛛巣城』には、『羅生門』以上に、そうした無声映画的な造形美が溢れて居る。−−雨の森、その雨の森で道に迷ふ馬と武者、そこに現れる妖怪、風にはためく旗、霧の中で動く森、そして、鷲津(三船敏郎)が矢を浴びるあの有名な場面、など、まさに無声映画の様な、映像その物の美が、極限まで高められた傑作である。佐藤勝の音楽も素晴らしい。メインタイトルに流れるあの笛の旋律は、日本の映画音楽史上に残る傑作である。私は、日本がこの映画を生んだ事を誇りに思ふ。 (西岡昌紀・内科医) 時は戦国時代、武将・鷲津武時(三船敏郎)は、妻・浅茅(山田五十鈴)にそそのかされて主君を殺害し、その城主となるが、朝茅は次は親友の三木義明(千秋実)を殺害するよう強要する…。 黒澤明監督が敬愛するシェークスピアの『マクベス』を戦国時代に翻案して描いた、幻想と恐怖に彩られた人間の業を露にする戦国絵巻。武時に謎の予言を伝える老婆(浪花千栄子)の不気味な幽玄性や、「森が動く」という台詞どおりに本当に森が動いたとばかりに驚嘆させる映像技術の素晴らしさ、そしてクライマックスでは、主人公に本当に無数の矢を射かけていくという、ダイナミズムを通り超えた恐怖の演出をも堪能できる。能を効果的に用いた佐藤勝の音楽も秀逸で、彼は本作から黒澤娯楽映画絶頂期の音楽をことごとく担当し続けることになった。(的田也寸志) 蜘蛛巣城 [DVD]を楽天で検索 |