美しき諍い女 無修正版 [DVD] |
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この映画の見所は二つあるように思われて、 一つは芸術作品を制作することを巡っての思考(画家とその周囲の人間関係を含めて)であって、 もう一つは女性(エマニュエル・ベアール)身体の美しさについてなのですが、 やはり多くの人は(少なくとも私は)後者に惹かれてこの作品を手に取るのだと思います。 で、その女性身体なのですが、この映画のなかでその美しさが存分に発揮されるのは、 映画開始から彼女が脱いでしまうまでのあいだであって、 それ以降はずっとさらけ出されていてどうにも単調な感じがしました。 もちろんそこに、画家とモデルとの間での闘争/共闘関係を通じての身体の変容を見る人もいるのでしょうが、 それだけの緊張を繋ぎ止めうる見せ方だったかどうか、やや疑問でした。 もともと絵に興味があったので買ってみたのですが、途中で爆睡してしまいました。パッケージの口上にあるような文芸映画というより、むしろSM系の要素を多分に含んだ映画だと思われます。無理なポーズを強いる画家と次第に馴らされ恍惚の表情をみせるモデル…まあSMも一つの芸術分野といえばそうですが…グランプリをとるほどのものとも思えません。ペンが画用紙を引っ掻く音ははっきりいって不快な部類の音です。それは許せるとしても、絵がちょっとヘタすぎですよね、この画家、女の後ろ姿(ケツ)ばかり描いてるんですが、ドガのそれと比べてしまうのはボクだけじゃないと思います。最後に仕上がった絵を決して観客に見せないのもただのじらしテクだけじゃないんでしょう。 昔、LDで持っていました。ドラマも秀逸ですが、何といってもエマちゃんのオールヌードが拝めるのがポイントでしょう。それをエロで見せるのではなく、きちんと芸術作品にしているのがいいですね。全編ほとんどオールヌードの大胆な演技ですが、エマちゃんの「私は裸を見せたのではない、魂を見せた」と当時言っていたのもうなずける。 新進画家ニコラと恋人マリアンヌ(E・ベアール)が、画商の紹介で老画家フレンフォーフェル(M・ピッコリ)のシャトーに招待される。その昔、老画家の妻リズ(J・バーキン)をモデルに描き始めたものの中途で挫折した<美しい諍い女>を、マリアンヌをモデルに再び描くことを決心したフレンフォーフェルであったが・・・。 「君の骨格をバラバラに解体し、内面にある真実だけをキャンバスに刻みこむのだ」 老画家が無理なポーズを次々とモデルに強要する。お互いの内面を引き出し合う苛酷な作業は、まさに<格闘>という形容がふさわしい。虚飾や肉体の鎧がはがされ、その作業はむきだしの真実をさらけ出していく。 なかなかポーズが決まらずデッサンを繰り返す工程が克明に描かれているため、DVD2枚組(239分)にも及ぶ長編になっているが、ベアールの官能的な肢体による刺激もありーので、間延びした感はあまり受けない。老画家の集中力がスクリーンからカリカリと伝わってくるからでもあるが、南仏のまばゆい日差しが、庭の緑・咲き乱れる花々・部屋の装飾品などの色彩を鮮やかに浮かびあがらせ、観客を飽きさせることはない。時として、シャトーの窓枠や開け放たれた扉によって、それらはキャンバスに描かれた印象派絵画のごとくスクリーンに切り取られる。 老画家が絵を封印することを予想していたかのように、完成した作品の木枠にリズがクロスを印す。女心の奥底に眠る黒い情念を感じる意味深なシーンだ。ニコラの旅行の誘いに「ノン」とだけ答えるマリアンヌ。字幕にはこの後に老画家の名前があえて付け加えられている。「いやよ。(そんなありきたりな場所。今の私を満足させられるのは)エドアール・フレンフォーフェル(あなただけよ)」とつぶやいているように僕には聞こえた。 2枚組で238分。でも決して長いとは思いません。ほとんどが画家とモデルの二人だけのシーンなのですが、その空間の中に自分が気付かれずにいるかのようで、緊迫感があるけども穏やかに目で追っていくことができて、全く長さを感じさせません。心地よい時間の流れというのでしょうか。 みなさんが書かれているように、当時ヘア論争なんておかしな事をしていたんだなあって思えます。若いときはベアールに負けず劣らず(?)美しかったジェーンバーキンも出演していて個人的には少しうれしかったです。 カンヌ映画祭でグランプリを受賞し、日本公開当時はエマニュエル・ベアールのヘア修正問題でも話題を呼んだ一作。妻をモデルにして「美しき諍い女」と題する絵を描いていた画家フレンホーフェル。完成直前に断念した彼は10年後、若いマリアンヌと出会い、彼女をモデルに再び絵を仕上げようとする。 キャンバスの上を滑る木炭の音。筆の精緻な動き…。過剰なほどに丁寧に再現されるデッサン風景によって、絵が仕上がっていく過程をじっくり眺められるのが本作の魅力。モデルと画家が対峙する空間の緊密感や、描く側と描かれる側が支配力を逆転させていくスリリングな瞬間が味わえるのも、4時間という上映時間、しかも音楽ナシという展開だからこそ成し得たことだろう。妻と新たなモデルの女性の関係や、作品への執着を超えて、芸術の高みに目覚める画家の内面ドラマまで、ジャック・リヴェット監督はじっくりと描いていく。(斉藤博昭) 美しき諍い女 無修正版 [DVD]を楽天で検索 |