Out of Season |
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曲目リスト
Portisheadのシンガー、Beth GibbonsとRustin ManことTalk Talkの初期メンバーとして知られるPaul Webbがタッグを組んだアルバム。実質的にBeth Gibbonsの初ソロ作となるこのアルバムのサウンドの印象を端的にやや卑怯な表現すると、ターンテーブルとサンプラー・マシンが無いPortishead。ヒップ・ホップ成分が抜けた替わりにオーケストレーションとアコースティック楽器の比重が増し、彼女の声が元来有しているミステリアスなムードはそのままに、より優しげで柔和なトーンを湛えた歌が響き渡る。一瞬たりとも耳を離せない凛としたテンション、背筋が凍り付くような美しさと完璧なシークエンスに総毛立ち、軽い目眩をも起こさせる。今様のフォーク・ブルーズ、トーチ・ソング的な憂いには思わず往年のビリー・ホリデイの名唱を重ね合わせてしまう。Portisheadの音楽が持つムードに魅了された方ならおそらくこのアルバムに満足するだろうし、Portisheadを知らなくともこの作品に耳を傾ける価値は十二分にあると思う。ぜひお試し頂きたい。 幽玄なヴォーカルで知られるポーティスヘッドのべス・ギボンズと、80年代のポップ・バンド、トーク・トークでベーシストを務めていた“ラスティン・マン”ことポール・ウェッブ。あまりにも意外な顔合わせだ。しかしながら、本作『Out of Season』を聴けば分かるとおり、この2人には驚くほど共通点が多いのである。その中でも筆頭に挙げられるのは、とてつもなくメランコリックなメロディーと不気味な雰囲気に満ちた伴奏に対する偏愛だろう。悲しみに沈んだフォーク「Mysteries」から、ピアノによるほの暗い悲歌「Show」へ、そして不安で映画的な「Spyder」へと静かな歩みを見せつつ、『Out of Season』は禍々しい異世界を描き出していく。そこに広がる風景は、古風であると同時に時代を超越している。 べス・ギボンズの不健康な歌声には、トリップ・ホップのよどんだビートと手の込んだスタジオ・ワークが付きものだが、本作はそれらを用いることなく、もっぱらビタースウィートな美しいメロディーとアコースティックなアレンジによってねじれた物語をつむぎ出す。にもかかわらず、ポーティスヘッドの絶対的な冷ややかさはここでも健在だ。ギボンズの歌は、眠気を誘う素晴らしいララバイとなる一方で、ひとつひとつの音に恐ろしいまでの孤独を宿らせ、聴く者の心を捕らえるのだ。「Romance」と「Sand River」の2曲はラウンジっぽいゴージャスなチューンで、バート・バカラック風の楽観主義にあふれているが、ギボンズの手にかかると暗く悲しい秘密を抱えたダスティ・スプリングフィールドのような歌になる。彼女の胸を打つ声こそが『Out of Season』を真に魅力的なアルバムにしているのだ。(Dan Gennoe, Amazon.com) Out of Seasonを楽天で検索 |