侯孝賢傑作選DVD-BOX 80年代篇 |
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候孝賢の80年代、台湾の80年代、消えることのない光をもって永遠にその存在は語られ続けるでしょう。 二度と撮ることのできない映画たちです。 80年代の台湾を、これほど愛しく美しく映像に残した監督は候孝賢以外に無いと信じます。 つまらない、退屈、よくわかんない、…と私の周囲の人々は漏らしていましたが、それは悲しいことでもあり喜びでもありました。この美しい映画が私に寄り添ってくれたともいえるからです。 心の中の宝石です。 「恋恋風塵」を最初に観た時のことは忘れられません。 やや紫がかった台湾の緑の山が写ったあたりから、 映画全体から匂い立つような空気に飲み込まれ、 気が付いたら映画館の前の座席にしがみ付いておんおん泣いてました。 あの時私が感じていたものは個人的な郷愁だったのかも知れません。 見に行った友人には「退屈で寝た」というのもいましたから(そいつとは喧嘩しそうになりましたが) あるいはその人の辿ってきた体験によって 大きく感想が左右される映画なのかもしれないと思います。 しかし、その醸し出す佇まいがここまで柔らかい映画を他に知りません。 もうなんかいい映画とか何とか評価する前に、この映画を愛してるとしか言えないんですよね。 「仰げば尊し」で始まり「赤とんぼ」で終わるこの映画、日本人にとっても郷愁を誘う懐かしさで、愛すべき作品です。昭和40年代頃に子供時代をおくった人であれば、自分の経験と重なる部分も多いのでは。こんなに懐かしさを憶える映画は、今まで日本映画にすらありませんでした。 台湾の緑豊かな田舎の風景とそれを捉えた映像が素晴らしい。引いたカメラが静かに子供たち、大人たちの生活を映し出していて。 小さな妹ティンティンと頭の弱い若い娘ハンズとの交流が、特に印象に残ります。床に伏したハンズの横で見守る女の子の無言の表情に引き込まれ、意識が戻ったハンズが傍らで眠る女の子の髪を撫でてやるところにはホロリとさせられました。 特典映像として冬冬役、ハンズ役、原作・脚本家の2004年時点でのインタビュー、ロケ地の今の映像が短いながら付いています。コンクリートが増えてしまった現在の風景には、凄く淋しさを感じます。 boxとしては、ここに収められている作品はどれも名作なので、買って損はないと思います。川本三郎さんの解説付き。お奨めです。 日本の失われた風景と見紛うばかりの透明な画面に小津ばりに最小限の演技をする俳優たち、そして色彩センス。冬冬~など日本の終焉したシステムの中で作る映画制作者に作らせたら、凡庸な小学生向けの教育映画の域を出ない作品で終わってしまうような内容をこの監督の才能が一気に引き上げたと言うしかない独特の仕上がりに唸らずにはいられません。才能とは奇抜さや華やぎとは別の次元の性質であることをこの台湾の天才監督は教えてくれている気がします。自分は金額的に買うかは微妙ですがBOX内の4作品はどれも傑作ばかりです。 個人的には侯孝賢監督初体験にして決定打だった「恋恋風塵」が入って いるだけでも感激です。 台湾の美しい緑の静寂の風景の中、秘めた恋心がゆらり陽炎のように 立ち昇る、静かな中に激しさのある映画です。 アジアの最終兵器とでもいうべき辛樹芬さんの魅力全開。 東アジア系の年若い女性でなければ醸し出せない絶妙な存在感です。 侯孝賢傑作選DVD-BOX 80年代篇を楽天で検索 |