プッチーニ 歌劇《蝶々夫人》アレーナ・ディ・ヴェローナ [DVD] |
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ゼッフィレッリの豪華演出によるベローナの野外ライブで、時代考証、日本らしさの点で多少の違和感は残るが、衣装をワダ・エミ、振り付けを田口道子が担当し、着付け、所作共に他のDVDに比べて許容範囲に入っている。越後獅子、さくらさくら等、日本の音楽素材をプッチーニが上手に料理していて、音楽的には親近感を持てるオペラなので、我々日本人が妥当と思える演出との組合せは大事であろう。 ろうそくの灯りをともしての野外オペラ独特の雰囲気も、冒頭の映像で垣間見れて嬉しい。しかし、大型野外劇場ライブについて回る録音の困難さについては、オーケストラを収録するマイクが近過ぎて、生の音が拾われて、音質が潤いに欠けるのと、ミキシングミスによる音の歪がひどい箇所があるのは残念だ。 このDVDのキャストはビジュアル志向で、蝶々さん、スズキ、ケート、舞妓さんの何れも美形だ。ピンカートンもハンサムといえるだろう。歌、オーケストラ共に標準レベルだが、蝶々さんのチェドリンスは、音色、声量は合格点だが、音程が今一なのと演技が表面的で、蝶々さんの喜びと悲しみの交錯を表現しきれていないように思える。ポンスのシャープレスは安定していて、深みのある歌を聞かせている。 DVDである以上、舞台に目をやる訳で、見るに耐えないビックリ演出ではなく、かなり納得して見れる数少ない映像であることが、これの最大長所であろう。 蝶々さんのビデオは、日本を舞台にしているだけあって、 音楽は二の次にして、演出や舞台装置・小道具に手厳しくなってしまいますが、 このビデオは許容範囲内で、失笑は買うものの、腹が立つものではありません。 元々西洋人が着物を着て、しかもヴェローナの大舞台で行われているのだから、 日本オリジナルのリリシズムは期待できなくても当然でしょう。 やっぱり中国を基調とする舞台装置は、やっぱりなーっと言う気分ですが、 そんな不満を払拭する合唱や人の動きはさすがです。 蝶々さんの登場の場面も、日本的ではないにしても、 最大限の神経が払われているし、本当に息を呑む美しさです。 主役のチェンドリスは、動作があまりに日本的ではないのですが、 歌は素晴らしく、清楚でしかも確実な声には圧倒されます。 ベテランのポンスを始め、ピンカートンもスズキもとても好感が持てます。 日本性にこだわってしまうと、どうしても歌でここまでの満足は得られません。 だからこれだけ素晴らしい演奏があり、演出についても許容範囲内であれば、 第一に勧められるビデオだと思います。 カラヤン/フレーニ/ポネルのビデオを観て、 金輪際蝶々さんのビデオは買わないでおこうと思っていましたが、 本当に満足して観ることができて嬉しいです。 購入動機としては、ゼッフィレッリ演出というのが大きな部分を 占めてましたが、演出、舞台装置はもちろん、キャスト、衣装、 そしてDVDソフトとしての画質、音質までも含めて、買って よかったです。 野外劇場でのライブ収録なので、トゥーラン紫禁城ライブのように 音質がどうかなとやや不安でしたが、余計な心配でした。 この演目の映像としては他に、カラヤン・フレーニ・ドミンゴのを 含め5つほどありますが、今のとこ、これが一番のお気に入り。 プッチーニ 歌劇《蝶々夫人》アレーナ・ディ・ヴェローナ [DVD]を楽天で検索 |