恋する女たち |
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自伝的な「ヒポクラテスたち」を除くと、大森一樹の映画ではもっとも面白かった記憶があります。この後、斉藤由貴で似たような作品が続いた後、ゴジラシリーズを撮りながら、次第に映画作家としてのボルテージがダウンしてしまったのは残念です。ひょっとしたら今の人たちは大森一樹という名前も知らないのではないでしょうか。(なにせ相楽晴子、小林聡美、柳葉敏郎が高校生を演じていた時代ですから) 主人公たちの個性的な言動に魅力を感じ、漫画の吹き出しの使用などのアイディアもさえていました。いま観ると斉藤由貴の服装(体型が判らない極端なロングスカート)は異様ですが。この頃の相楽晴子はきれいで、役者としても個性的で、後年「どついたるねん」で助演女優賞を総なめして実力を開花させました。 大森監督は我々とは年齢差があるのでどうなるのかと思っていたのですが、これが不安を払拭するような素晴らしい映画でした。主役の斉藤由貴、相楽ハル子、高井麻巳子(役者の演技に慣れてたどうかは別にして)、みんな凄かったですよ。 あと、金沢の情景を「いちばんよく見せる」ところに凄くエネルギーを費やしていただけた金沢市関係の方々には敬意を表す。 初めて映画館でみた映画なので、思い出深いです。 正確には覚えていませんが、セリフが心に残っています。 「恋することは、これまで赤の他人であったところに土足で上がりこむことなんだ。 好きだの惚れただのとペラペラしゃべっていていいのか。少しは怖いことだと思わないのか」 とか。 私はこの作品を通してツルゲーネフの「初恋」を読んだり、 監督の大森一樹氏の他の作品を見るようになったり 世界が広がったような気がします。 かしぶち哲郎さんの音楽は、他の大森作品でも聴けますが この作品のものが、個人的には最も心地よく、心に残っています。 この映画は、映画館で、そしてLDで何度観たかわからない。さすが大森一樹、単 なるアイドル映画に終わらせない。尼寺へ行くといって斉藤由貴が髪を切ったり する脚本の面白さもさることながら、記憶にいつまでも残る名場面が実に多い。 主人公が友達と浜辺を歩くシーンや決意を込めて主人公が自転車をこぐシーン。 そして金沢の魅力を引き出すシーン。極めつけの名シーンは断崖 絶壁の上でのあでやかな着物姿でのお茶会。こういった具合にほとんど無駄な シーンがない。恋を通じての少女たちの成長という、ある意味普遍的なテーマを 素材にしながら、見事に作家の映画になっている。それぐらい良い印象だけが残 る素晴しい作品です。私の記憶違いでなければ、キネマ旬報で年間10位以内 の評価でしたが、私は1位になったとしてもおかしくなかったと思います。上の データによると、音声がモノラルというのがちょっと残念ですが、リアルタイム で本作に接した人はもちろん、今まさに「女の子、いかに生くべきか」を思い悩 む若い人たちにもお薦めできる、決してDVDを購入して損はしない、大いに楽し める傑作です。 恋する女たちを楽天で検索 |