J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲 |
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音楽家、というかこの方が、羨ましいとつくづくにして思いました。 表現しようというのではなしに、表現になっているような。 言葉なんて要らないわけです。 この方は、当然、僕の知らない人で、僕から遠くにいるわけなのに、 目の前で弾かれているようで、そのうち、この方と自分の境が曖昧になって行きます。 この方が手を振り上げていれば、こちらもそうしたくなり、 この方が朗々と謳っていれば、こちらもそうしたくなるような。 そして、30番目の最後の変奏で、しばしのお別れという気持ちになり、 アリアのダカーポが終わると、余韻と共に、徐々に自分に戻って行きます。 少々、怖い快感です。 スタイリッシュであることと、スタイルがあることは実は全く違うことだ グールドが弾いている姿は、むしろカッコよくはない 奇妙な椅子に深々と腰かけて、猫背で。。。 だけれど、その指の動き ほとんど鍵盤に張り付いているようで、しかし流麗ではなく、無骨な印象を受ける 運指。鳴らされるピアノの響きの絶対的な「スタイル」 グールドは死を予期して20余年ぶりに「ゴルドヴェルグ変奏曲」を再録したと うがった見方がある。しかし、このDVDに記録されているグールドにはそんな 思い詰めた様子も、悲愴もない。彼は最初の録音に満足しておらず、テイク2ネスを よりよいテクノロジーで挑んでみたかったという生命力を感じる 弾いている姿だけでも美しい。観ることができるだけでも感激する 個人的に残念なのは英語字幕がないことでした 日本盤の発売が遅すぎです!怒 普通のグールド好きなら、痺れを切らしてとっくに外盤で手に入れてますって。 外盤持ちの私が、それでも日本盤を買ってしまったのは、雑誌広告にわざわざ書いてあった、ボーナス映像『バッハをピアノで弾く理由(聴き手:ブルーノ・モンサンジョン)』に期待したから。 もしかしたら、レーザーディスクで出ていた『グレン・グールド・コレクションU』に含まれる『バッハをピアノで弾く理由(原題:THE QUESTION OF INSTRUMENT)』が丸々収録されているのかも?と考えてのこと。 モンサンジョンのマウス&エア・ヴァイオリンが、そしてグールドのスキャットの物真似が、ついにDVDで観れるのか!?ってね。 しかし結局、外盤のボーナストラックと同じ映像=2分足らずのコメント(EXPLAINS HIS USE OF THE PIANO FOR BACH:和訳も間違いではないが、以前、番組全体に付けた邦題と同じにするのはルール違反だろう)が抜粋されているのみ。ジルバーマンのピアノ云々て箇所のみ。 レーザーディスクにあった「どんな編成でもバッハはバッハだ」や「ショパンの時代のピアノだって現代のピアノとはかけ離れている」ってコメントの箇所は一切収録されていない。 宮澤淳一の解説が読めるのが救いだが、外盤を持っているのであれば、どこかで読ませてもらえば良いだけのことです。 画質も特に改善された訳でもないし…。 画質に関しては、外盤のレビューに書いたのでここでは繰り返しません。 内容は81年の「ゴールドベルク変奏曲」の再レコーディングに並行して記録されたおなじみの映像です。数年前にリージョン・フリーのブラジル盤が出回った時にはかなりのベスト・セラーになりましたが、字幕付き日本盤DVD化は初めて。まさしく「待望」という言葉の相応しい商品でしょう。 音楽に言葉はいらない、映像はいらない、ただ音楽だけでいい、・・・それは確かにそうかもしれません。しかし、例えばただ目前で演奏されたというだけで素人の演奏に感動させられることがあるように、「音楽以外」の要素が加わることで音楽そのものの持つ磁場が変化するのもしばしば経験されることです。 ここでのグールドの「ゴールドベルク変奏曲」の映像は、画質は正直それほどよくありません。オリジナルのテープに起因すると思われる画質のブレなども残っています。しかし、実際に目の前でグールドが演奏するのを観ると、そんな細かいことはどうでもよくなります。数年前に飽きるほど繰り返し観た映像でしたが、久しぶりに観てもやはり非常に面白かったです。自分の微かな呼吸のオトすら邪魔に感じてしまうほど音楽映像にのめり込んで楽しむなんて、本当に久しぶりのことでした。 おそらくこの映像は「音楽には映像は不要である」と考えている人々にも強く新鮮な衝撃を与えるでしょう。「聴く」だけの時以上に濃密に作品を楽しめると思います。やや高めの値段設定ですが、グールドの「ゴールドベルク変奏曲」が好きな方には、必見の映像と断言します。 ところで久しぶりにアタマから観て、冒頭のプレイバック風景で「テイク10」とかいう言葉が出ているのに気がつきました。どうせならボツになった録音・画像をボーナスで入れてくれたらよかったのに・・・・。 2度目の、81年版ゴールドベルクの録音とともに併行して行われた、同曲映像版DVD。演出上、CDとは異なるテイクが取られている部分もありますが、本質的には同じ演奏です。ブルーノ・モンサンジョンとの対話も収録されている、日本語字幕がついた日本国内版です。ようやく出ましたね。 冒頭、モンサンジョンとのインタビューでの彼の言葉を意識して聴くと、全変奏を通して目に見えない連続性(拍動)があり、曲全体にまとまりをもたせた演奏であることがわかると思います。賢者グールドだからこそできた演奏です。恐ろしいほどの知性と集中力。紛れもなく人類の宝であり、グールド信者必携のDVDです。 この際、今度のグールド没後30周年の際に、かつてレーザーディスクで発売された、『グレン・グールドコレクション』をDVD BOX化して発売してくれたらどんなに素晴らしいでしょう。グレン・グールドが、自らプロデュースするテレビ番組で色々な作曲家の曲に新たな光を当てた記録。メニューインなど優れた演奏家と協演したり、自らオーケストラを指揮したり。貴重な文化遺産をこのまま埋もれさせてしまうのは惜しい。是非ともDVD化して欲しいものです。 J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲を楽天で検索 |