カイロの紫のバラ

カイロの紫のバラ

売れ筋ランキングカイロの紫のバラ  
カイロの紫のバラ

カイロの紫のバラ


価格:¥ 3,416(税込)
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン DVD2008-05-23
売れ筋ランキング:2600
カメレオンマン
サマー・ナイト
ハンナとその姉妹
ブロードウェイのダニー・ローズ
ウディ・アレンの愛と死

DVDを選ぶ時、見たことのない作品は、
タイトルのセンスで選びます。
タイトルには作品のすべてが凝縮されていると思うから。
そして、タイトルも中身も抜群にわたし好みの監督、
ウディ・アレンとめぐり合いました。

「ハンナとその姉妹」「ギター弾きの恋」「セプテンバー」etc
なかでも、いちばんのお気に入りは「カイロの紫のバラ」。
ハリウッド流なら壮大なドラマとなるべくタイトルですが、
そこは人生の機微を淡々と描いて静かに酔わせるウディ・アレン。
夢のような愛と現実の悲しみを、
ただミア・ファロー演じる主人公セシリアの表情の変化のみで語らせています。
ことにラストのスクリーンを見つめるセシリアの表情は圧巻。

観終わってもしばらく、渇いた砂にスーッと水が染み渡るような余韻が広がります。
タイトルもラストシーンも忘れ難い名作です。

 「アニー・ホール」以後のウディ・アレンの作品は、ニュー・ヨークを舞台に洒落た都会風のコメディが多くなっていたが、そんな中でこの「カイロの紫のバラ」を見た時は、ウディ・アレンにこんなロマンチックでエモーショナルな面があったという新鮮な、そして意外な驚きに純粋に感動してしまった。いつものちょっとシニカルな面を抑えて、映画館を舞台にしたおとぎ話のようなストーリーは当時、単にウディ・アレンのファン層を越えて、多くの映画ファンをも魅了した。ミア・ファローのスクリーンを見つめる時の至福の表情に、我々も映画ファンの一人として大いに同調したものだった。まさに映画を愛する人のための映画で、「アニー・ホール」や「ハンナとのその姉妹」などと並ぶ傑作だと思う。
 映画を見ている最中、突然スクリーンの中のお気に入りの俳優が話しかけてきたら…。それだけじゃなく、スクリーンから飛び出して自分への愛を語り出したら…。
 映画ファンなら誰でも思うそんなたわいない空想を、一流のラブストーリーに仕立て上げてしまえるのがウッディ・アレンの実力である。本作はハリウッド黄金期のオマージュがちりばめられており、ストーリーも役者達も、見る人が見れば思わずクスリとさせられる、そんな場面がいっぱいである。
 ただ、ラストはアレンらしいほろ苦い終わり方で、彼独特の人生訓が語られている。主人公のミア・ファローは、男性なら抱きしめたくなるほど魅力的で、女性なら心から共感できるキャラクターを見事に演じている。上映当時は、二人の最高傑作の呼び声が高かったが、彼にしてみれば作るのに苦労しないたぐいの映画だろう。
 とにかく映画ファン必見の作品である。
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