隣りの八重ちゃん

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売れ筋ランキング隣りの八重ちゃん  
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価格:¥ 2,395(税込)
松竹ホームビデオ DVD2008-06-27
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本日休診
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自分も含めて今の子供たちは、何やら昭和に入ると軍部が独走して真っ暗な時代となる、というような教え方をされてきた。しかし、大人になって色々な日本映画を観ていたら、昭和10年ころの日本は本当に快活で、現代よりもよほど絆の強い時代であることがわかってきた。本作も昭和9年の松竹蒲田作品だが、今見ても十分に楽しい佳作となっている。何よりもアメリカの影響が大きいのだ。しゃれた和風+出窓なんかある洋風建築の家に住む主人公ふたり。大日方傅は「フレデリック・マーチみたい」と言われている。帝劇に観にいく映画は「ベティ・ブープ」。ディズニーのライバル、フライシャー兄弟によるパラマウント作品だ。甲子園野球もテーマになっており、そこで交わされる用語は今と全然変わらない。ストライクを「良し」なんていう時代は遥か先のことだ。これだけ密接な国といかに戦争の道に歩んでいったのか、少なくとも本作上映時にはそんな空気は微塵もなかったはずだ。また八重ちゃん役の逢初
夢子の可憐なこと!セーラー服を着替えるときにスリップ1枚になるシーンなんて、今でもドキドキしてしまう。逢初は戦争真っ只中の昭和17年に「できちゃった結婚」をする、ある意味先進的な女優だったが、それもそのはず松竹SKD出身の花形だった。八重ちゃん役は、何か「サマータイムマシンブルース」の上野樹里を彷彿とさせた。同じようなタイプだと思うがどうだろうか。青空、高い鉄塔、多摩川を渡る東海道線と、当時の雰囲気も満点なので、本当の歴史を知りたい人はぜひ観てください。教科書とは違う昭和9年があります。
自然な雰囲気を重視した島津監督ならではの演出ゆえか戦前の映画なのにあまり古臭さを感じない爽やかな映画。昔の人も今の人も普段話していることはたいして変わらないという当たり前のことがよくわかる。でもこういう演出やストーリーは当時は画期的だったのだろう。後の日本映画に大きな影響を与えた重要な作品。逢初夢子、高杉早苗、岡田嘉子、みんなとても綺麗だし大日方伝は立派なイケメンと言っていい。
画質のほうはHDリマスターとのことですが残念ながらあまりよくありません。戦前映画でキズはしょうがないにしても全体的に白っぽくぼけた感じなので評価は星3つ。でもセリフは聴き取りやすいです。値段もお手頃なのは嬉しい。
島津保次郎は木下恵介ら松竹大船の監督たちの師匠で、ごく普通の市井の人々を描いて傑作を数々生み出した巨匠です。

これは昔の日本の真空パックみたいな映画です。高度成長期くらいまでは何とか残っていた、「隣り近所」の関係がそのまんま記録されています。今の人が見ると、隣りに勝手に上がり込んで飯を食っても何も言われないという関係性がまったく理解できないのではないかと思います。かなりのカルチャーショックを受けますよ。

善し悪しは別として、昔の日本はこうした地域共同体がしっかり機能していて、今のようにギスギスした関係ではなかったんだろうなと想像できます。ちょっとうらやましい。

何ということもないような話が淡々と続いてゆく映画ですが、今は失われてしまったとても大切なものがいっぱい詰まっている作品です。映画史に残る傑作…なんですが、そんなこととは関係なくゆる〜い存在感を放つ、不思議な1本です。心からおすすめします。
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