ノーカントリー スペシャル・コレクターズ・エディション

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売れ筋ランキングノーカントリー スペシャル・コレクターズ・エディション  
ノーカントリー スペシャル・コレクターズ・エディション

ノーカントリー スペシャル・コレクターズ・エディション


価格:¥ 2,972(税込)
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン DVD2008-08-08
売れ筋ランキング:769
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
アメリカン・ギャングスター
フィクサー
バンテージ・ポイント コレクターズ・エディション
大いなる陰謀 (特別編)

一言で表すととても深い映画でした!はっきり言って一般ウケはしないので、結末を重視して映画を観る人にはおすすめできない作品です!
 やはりコーエン兄弟のデビュー作である「ブラッド・シンプル」を意識してしまうが、コーエン兄弟にとっても、この題材を選んだのは自分たちの原点である「ブラッド・シンプル」への回帰の意味だったのだろうか?しかし、「ブラッド・シンプル」ほど描写はクールでなく、かといってユーモアが効いているわけでもなく、若干、中途半端な感が否めない。
 もっとも気になったのはトミー・リー・ジョーンズの保安官の話と、200万ドルをネコババしたモスと、それを追う殺し屋シガーの話がうまく絡んでいないことで、映画のタイトルにもなっているNo country for old manを主題にするには保安官の描写がもっと濃密でないと、観客の目はどうしても殺し屋のエピソードの方に行ってしまう。そのため保安官の冒頭のナレーションや最後の独白が浮いてしまっていると思う。保安官があくまで傍観者であるという視点で描いているのはわかるのだが、小説ではなく映画である以上、画面上で両方のエピソードをもっとうまく絡ませた方がよかったように思う。(保安官を演じるトミー・リー・ジョーンズの演技が上手いだけにちょっともったいない)
 シガーの圧縮空気を使った武器でのキー飛ばしの技、シガーとモスのドア越しの対決シーンの緊迫感、ウッディ・ハレルソンを殺した後に靴に血が付かないように足を上げるシガー、その後、ラスト近くで外へ出るシガーが靴の裏をチェックしていることで直接表現がなくても殺しが行われたことを暗示する優れた描写などコーエン兄弟独特の映像表現は素晴らしい。
 殺し屋シガーを演じるハビエル・バルデムの存在感は圧倒的で、アカデミー賞受賞も頷けるが、逆に一発屋になってしまわないか心配してしまう。今後もこの個性を活かして曲者役に挑戦して欲しい。風貌といい、第2のデヴィッド・ワーナーのような個性派俳優に化ける可能性も期待できる。
 
確か、パルプフィクションとかワイルドアットハートとかも大きな賞を獲った作品だったかと思うが、これらと同系等のクライムサスペンスもの。助演男優賞ハビエル・バルデムの存在感は抜群。駄菓子でのオヤジとのやり取りで賞を獲ったようなものだろう。ジョシュ・ブローリンは若き日のニック・ノルティのようで非常に好感が持てる。ウッディ・ハレルソンが演じた役はジェイソン・ステイサムが演じていればより際立ったのではないかと思う。御大、トミー・リー・ジョーンズさんは、日本のBOSSのCMでの印象が強すぎて、シリアスな中にユーモアを見出そうとしてしまう考えが働いてしまい、私的にはNG。ハビエル・バルデム+ベニチオ・デル・トロ+サミュエル・L.ジャクソン+ジェイソン・ステイサム+クエンティンタランティーンでクライムサスペンス撮ってほしいな。金かかりすぎるか↓
 
 コーエン兄弟の前作「ファーゴ」や「バーバー」を見たとき、人間の欲深さや業の深さを、
ユーモラスに活写するさまに、妙な瑞々しさを感じると同時に、コーエン兄弟にどこか、
お前も同じなんだぞと、上座から言われているような気がして不愉快な気持ちにさせられた
ことを覚えています。

 今作は、今までのユーモラスでシニカルに満ちたコーエン作品とは一変し、全編にわたり
シリアス一辺倒で進みます。一つ、一つのショットが並々ならぬ緊張感を張り巡らせていて、
ストーリーはシンプルながらも、見るものを画面に引き付けます。
 いっけん単純そうな筋書きを、やたら意味深に、ただし見る側にとってはまったくもって
不親切な描写がありありと暗示される、いわばコーエンワールドとも言うべき語り口は
今作でも顕在ですが、結局のところ明確な答えは提示されません。
 
 現実を描いたこの映画に初めから答えはありません。
 
 麻薬と金、シャツを売る少年、敬語を使わなくなった若者達、様々な要因がアメリカの暗影を
形成していると老保安官は嘆きますが、ラストの会話で社会の変化は止められないと諦観の境地に
達して映画は突如として幕を閉じます。ここに作り手の意図を読み取ったとしても、そこに何の意味も
なければ、何の感慨もありません。要するに見た跡に何も残らない。答えのない問いを突きつけられたような気分になります。
だから、この映画を見てモヤモヤして分からなくても、安心してください。最後まで結論などには行き着きません。
これは、そういう映画なのです。



原題は"No country for Old Men" だから、「年老いた者に帰る所などない」というような意味になるが、邦題では、全く意味が分からない。さて、この映画のなんともいえない後味の悪さだが、それこそがおそらく、この作品の意図なのに違いない。しかもその後味の悪さは、日を追って深く心に沈殿していく。ファーゴもそうだったが、舞台となった田舎町は、一体いつの時代なのか分からないような素朴な風景を見せている。そんな一見、静かでのどかに見える田舎町さえも、もう古き良きアメリカの息遣いを失ってしまった。トミー・リー・ジョーンズの演じる保安官の苦衷は、アメリカ合衆国という国の苦衷でもあるのだろうか。
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