Dub Orbits

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売れ筋ランキングDub Orbits  
Dub Orbits

Dub Orbits


価格:¥ 2,850(税込)
ewe records CD2008-07-16
売れ筋ランキング:15263
記憶喪失学
イン・トーキョー
The revolution will not be computerized
Sweet Metallic
Like Someone In Love

曲目リスト
  1. (I’ve lost my) Taylor Burton
  2. Koh-I-Nur
  3. Orbits
  4. Despute
  5. Ascent
  6. Monkey Mush Down
  7. Dismissing Lounge From The Limbo

いい音楽です。
ベースは、ひらかれていてとっつきやすい普通のジャズ。
そこに施されたダブ処理も適度で、BGMとしても邪魔にならない。
そういう意味では、「大衆的」です。
ある程度、誰にでもオススメできます。

逆に言えば、この人の作品はすべてそうですが、
本人が見せようとしている本人のキャラクターや思惑ほどには、
作る音楽が尖ってない。物足りなさがあります。
ソロ作にしても、戦略も戦術も、豊富な引き出しの中身を駆使しているのに、
結局、組み合わせが珍しいだけの普通のジャズになっている。
音楽としての驚きがない。

強調しておきますが、いい音楽であり、いいジャズです。
先入観なくこれを聴いて、
訳がわからないという人も、いけ好かないという人も、おそらくいないはずです。
好意を抱く人がほとんどでしょう。
ただ、多少なりとも菊池氏本人の言動や活動を知っていれば、
この間口の広さが意図されたものなのかどうか、気にはなります。

「感動や信用は甘い菓子だからあまり食うな」という本人の音楽が、いつも、
きわめて上質だが食べやすい菓子のようだ、と言ったら言いすぎでしょうか。

それからマイルスリスペクトは、サイズ違いの服を着ているようです。
マイルスを再帰的に扱っている限り、
マイルス最大の魅力である「内圧の高さ」は立ち上がらないので、
上手いですが表層を消費してる印象がぬぐえません。
そろそろ、菊池氏本人が、「発明」に挑む時期ではないでしょうか。
どことは申しませんが、日本側の企画と資金で、向こうのミュージシャンにスタンダードを甘ったるく演奏させたアルバムには、「ジャズをなめるな! ムードミュージックじゃないぞ!」と怒りを覚えます。そんなところに、菊地成孔ダブ・セクステットの新作が届きました。甘さのない、しかもスタイリッシュでクールな、同時に志のあるアルバムだと思います。現在、この夏のヘビーローテーションミュージックになっています。

甘さがなくスタイリッシュでクールといえば、マイルスのセカンド・クインテットです。マイルスがファンクに行かず、このクインテットのフォーマットのままで、ダブミュージックやヒップホップに遭遇していたら、というコンセプトがダブ・セクステットの背景にありますが、今回は実際にマイルスが演奏した曲のカヴァーも含まれています。また、「Monkey Mush Down」などは、アコースティック版「オン・ザ・コーナー」とでも言うべきユニークなアプローチです。前作以上に充実した内容で、方向性も明確になってきたこの「DUB ORBITS」、ムードミュージック的「ジャズ」に物足りなさを感じている方に、ご一聴をお勧めします。

凄いな。ひとことで言って、様々な要素がけたたましく混在連動し、インプロビゼーションされているアルバム。誰も聴いた事がなく、それでいて既視感(安穏感)を感じさせるアルバム。いきなり、テナー吹きっぱなし、ハード・バップでひたすらファンキーに決めれば、一転、幾何学的なエレクトリック音が提示され、いつしかヒーリングの世界へと誘われる。
これ、例えが唐突だけど、フィルム・ノワールであったり、ハードボイルドであったり、アバンギャルドなSFであったり、スラップスティックであったり、倦怠期を迎えたカップルの恋愛劇であったり、と、まるで楽曲それぞれが、あらゆるジャンルの映画をモチーフにしたサウンドトラック・アルバムとして成り立っているような、サウンド自体がダイナミックに脈動し、ドラマツルギーをスリリングに発散させているようなイメージ。
超クールで奔放な媚薬のごとき出来栄え、今夏イチ押しのクール感(冷涼感)を与えてくれる1枚。
菊地成孔は、このバンドを"歌舞伎町のホスト・クラブ"と呼んでいるらしいが、こんなにホットで知的なホストたちがいるなら、男のオレでもはまってしまうな(笑)。
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